デジタル遺品とは、スマートフォンやパソコンの中にしか残っていない情報や契約のことです。秋田県全域で遺品整理・出張買取を行う本荘美術が、探し方と手続きの順番、機器の処分方法をご案内します。
ご自宅の片付けは、家具や食器など目に見えるものから手をつけがちです。ところが最近は、通帳も明細書も残っていないのに毎月の引き落としだけが続いていた、というご相談が少なくありません。物の整理と違い、デジタル遺品は「どこにあるか」を先に探さないと片付けが進みません。
デジタル遺品は3つに分けて考える
ひとことで「デジタル遺品」と言っても、中身は性質の違う3つが混ざっています。①スマートフォン・パソコン・タブレット・外付けハードディスク・USBメモリなどの機器そのもの、②写真や動画、アドレス帳といった機器の中のデータ、③ネット銀行の口座、ネット証券の株式や投資信託、暗号資産、動画や音楽の有料サービス、SNSアカウントなどネット上の契約・資産です。
①②はご自宅にある「モノ」の話、③は各社と行う「手続き」の話です。片付けの現場で困りやすいのは、③を確認しないまま①を処分してしまうケースです。
契約先をたどる4つの入口
✓ スマートフォン
いちばんの入口です。アプリの一覧や届いているメール・ショートメッセージから、利用中のサービスがある程度たどれます。ただしロックが解除できないと中は見られません。携帯電話そのものの解約は、ご契約の携帯電話会社での手続きになります。受付の方法や必要な書類は会社によって異なりますので、契約先にご確認ください。
✓ パソコン・タブレット
ブラウザのブックマークやメールの受信箱に、金融機関や通販サイトからの通知が残っていることがあります。仕事で使っていた機器は業務のデータが入っている場合もありますので、勤務先の指示を仰ぐほうが確実です。
✓ 郵便物・クレジットカードの明細
ネット上のサービスでも、年に一度の案内が紙で届くことがあります。とくにカードの利用明細は、毎月何にいくら支払われていたかが分かる有力な手がかりです。引き落とし口座の通帳と見比べてみてください。
✓ 手帳・エンディングノート
IDやパスワードのメモが手帳の後ろに書き込まれていることは珍しくありません。金庫や仏壇の引き出しなど、大切なものをしまう場所もあわせてご確認ください。
口座や有料サービスの手続きは各社の窓口で
ネット銀行の預金やネット証券の株式・投資信託も、通帳のある預金や株券と同じく相続の対象です。民法第896条は「相続人は、相続開始の時から、被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継する。ただし、被相続人の一身に専属したものは、この限りでない。」と定めています。国税庁も、相続税がかかる財産を「金銭に見積もることができる経済的価値のあるすべてのもの」と説明しています。ネット上にあるかどうかで扱いが変わるわけではありません。
✓ 故人のIDでログインして操作しない
残高を確認したいときでも、故人のIDとパスワードで手続きを進めるのは避けてください。多くのサービスは利用規約で本人以外の利用を認めておらず、後から相続人の間で「誰が何をしたのか」が問題になることもあります。各社の相続手続きの窓口へ、相続人であることを示す書類を添えて照会するのが確実です。
✓ 相続放棄を考えているときは慎重に
預金を引き出す、解約して払い戻す、残っていた品を売却するといった行為が、後の判断に影響することがあります。相続放棄には期限があり、民法第915条第1項は、自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内に承認か放棄かを決めなければならないと定めています。相続放棄を検討している段階では、動かす前に弁護士・司法書士などの専門家へご相談ください。詳しくは相続放棄を検討中の遺品整理でご説明しています。
✓ 有料サービスは止めない限り請求が続く
動画配信や音楽、通販の有料会員、クラウドの保存容量などは、解約するまで毎月または毎年の引き落としが続きます。明細に見覚えのない少額の引き落としが並んでいたら、その名称で契約先を調べてみてください。なお暗号資産のように、評価や手続きに専門的な判断が必要なものもあります。判断に迷う場合は税理士や所轄の税務署にご相談ください。
機器の処分はデータと本体を分けて
初期化しただけでは消えていないことがある
パソコン3R推進協会は、ごみ箱を空にする、フォーマットする、リカバリーCDで工場出荷状態に戻すといった操作をしても「ハードディスク内に記録されたデータのファイル管理情報が変更されるだけで、実際はデータが見えなくなっているだけの場合があります」と注意を促しています。確実に消すには専用のソフトや装置を使うか、記録装置を物理的に破壊する方法が推奨されています。同協会は、自分でハードディスクを取り出してハンマーなどで叩くのは、最近のハードディスクは記録媒体の盤がガラス製で粉砕しやすく危険だとして、やめるよう呼びかけています。メーカーや販売店のデータ消去サービスを利用するのが安全です。
パソコンはごみ集積所に出せない自治体が多い
パソコンについてパソコン3R推進協会は、「これまで『資源有効利用促進法』によりパソコンメーカーが回収しリサイクルすることとされ、多くの市区町村はごみとしての収集を停止していました」と説明しています。現在もメーカーによる回収は続いており、あわせて平成25年に施行された小型家電リサイクル法にもとづく回収ルートもあります。秋田市も由利本荘市も、小型家電は回収ボックスへの投入が望ましいとしたうえで、「パソコンを除き」これまでどおりごみ集積所に出すこともできる、と案内しています(区分は秋田市が「金属類」、由利本荘市が「不燃ごみ」)。パソコンだけは別扱いだとご記憶ください。
秋田市・由利本荘市の回収ボックス
秋田市は「使用済小型電子機器等の再資源化の促進に関する法律」(小型家電リサイクル法)にもとづき、市役所本庁舎・各市民サービスセンター・スーパーなどにボックスを設置しています。投入口はたて15センチメートル×よこ30センチメートル×奥行き30センチメートルで、この投入口に入る小型家電が対象です。携帯電話、パソコン、タブレット、USBメモリ、デジタルカメラなどが回収品目に挙げられています。
由利本荘市は、市役所本庁舎1階の生活環境課前にボックスを設置しています。対象は縦20センチメートル×横40センチメートル×奥行30センチメートル以内で、携帯電話・スマートフォン、ノートパソコン、外付けハードディスク、USBメモリなどが例示されています。詳しくは市民生活部生活環境課の「使用済み小型家電の回収・リサイクルにご協力ください」(ページ番号1013272)をご確認ください。
どちらの市も、投入したものは取り出せないこと、個人情報は消去してから入れること、電池は回収できないこと、事業で使っていたものは投入できないことを共通の注意事項として挙げています。電池は取りはずせるものは取りはずし、取りはずせないものは無理をせずそのまま入れてよい、というのも両市に共通です。なお秋田市は、内蔵電池がふくらんでいる小型家電とモバイルバッテリーは投入できないとしています。家電リサイクル法の4品目(エアコン、テレビ、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機・衣類乾燥機)は小型家電リサイクル法の対象外で、扱いが異なります。こちらは秋田市で不用品・粗大ごみを無料で処分する方法や由利本荘市の粗大ごみ手数料が改定でご説明しています。
片付けの現場で気をつけたいこと
✓ 機器は最後に回す
家財をまとめて処分するとき、小さな機器は「ついでに」トラックへ積まれてしまいがちです。スマートフォンやパソコン、外付けハードディスク、USBメモリはいったん別の箱にまとめておき、手続きが済んでから処分する——この順番にするだけで、後から慌てずにすみます。写真や動画はご家族にとって形見に近い意味を持つことがありますので、誰が保管するのかも先に相談しておくと行き違いを防げます。品物の分け方は秋田の遺品整理と形見分けもあわせてどうぞ。
✓ 確実なのは元気なうちのリスト化
ご本人が利用中のサービスと連絡先を一覧にし、パスワードの保管場所を家族に伝えておけば、ここまでの手間はほとんどかかりません。生前整理を始めるタイミングと進め方もご参考ください。
本荘美術がお手伝いできること
本荘美術は由利本荘市を拠点に、秋田市・大仙市・横手市・能代市・大館市・湯沢市など秋田県全域へ出張しています。骨董品・美術品・着物・貴金属の出張買取と、買い取れなかった家具・衣類・食器・日用品などの生活用品の無料回収(要相談)を、一度の訪問でまとめてお引き受けしています。買取の対象は買取品目のご案内、回収の範囲は不用品の無料回収のページをご覧ください。
一方で、データの消去やアカウントの解約手続きは、私どもが代わって行える領域ではありません。ご家族や各サービスの窓口で進めていただくことになります。パソコン・スマートフォンなどの機器そのものをお引き受けできるかどうかは種類や状態によって異なりますので、日程を調整する際にお知らせください。中身の確認が終わっていないお品は、無理にまとめず残しておいていただいて構いません。遺品整理全体の流れは秋田で遺品整理を業者に頼む前に知っておきたいことでもご説明しています。捨ててしまってからでは元に戻せませんので、迷ったらお声がけください。
【出典】e-Gov法令検索「民法」第896条・第915条/国税庁 タックスアンサー No.4105 相続税がかかる財産(令和8年4月1日現在法令等)/秋田市「使用済み小型家電の回収・リサイクルにご協力ください」(ページ番号1006172)/由利本荘市 市民生活部生活環境課「使用済み小型家電の回収・リサイクルにご協力ください」(ページ番号1013272)/一般社団法人パソコン3R推進協会「データ消去について」・同「小型家電リサイクルによるパソコンの回収」。国税庁ウェブサイトの内容を要約・編集して掲載しています。制度や回収方法は変わることがありますので、お手続きの際は各窓口で最新の情報をご確認ください。



