秋田で空き家になった実家をお持ちの方にとって、雪が積もる前の秋は一年でいちばん動きやすい時期です。秋田県全域で出張買取と不用品回収を行う本荘美術が、冬を越すための備えと片付けの順番をご紹介します。
誰も住まなくなった家は、冬のあいだに傷みが一気に進みます。水道管が凍って破裂する、屋根の雪を下ろす人がいない、庭木や物置が雪でつぶれる——どれも「気づいたときには春」というのが空き家の怖いところです。雪が降ってからでは、そもそも敷地に入れないこともあります。
秋のうちに動いたほうがいい理由
秋田市上下水道局は、寒さの厳しい12月から2月下旬までは水道管やじゃ口の凍結に注意するよう呼びかけています。気温がマイナス4℃以下になったときや、1日中氷点下の真冬日が続いたときは、凍結や破裂が起こりやすくなるためです。
もう少し早い段階から冬の扱いが始まる手続きもあります。秋田市では水道の使用中止を受け付ける際、11月から2月は、お客様からの申し出がなくても凍結防止のため止水栓止めを行っています(3月から10月は、申し出がない限り原則として行いません)。つまり、使用中止の届け出をしている空き家については、11月に入るころには水回りが「冬の状態」になっている前提で市が動いているということです。
片付けの側から見ても、秋は条件がそろっています。雪が積もると、トラックを敷地に入れられない、納屋や物置の戸が開かない、屋根から下ろした雪で1階の窓が塞がる、といったことが普通に起きます。家財を運び出す作業は、雪が来る前に終えておくのが一番確実です。
まず水道|長く空けるなら水抜きを
秋田市上下水道局は「近年、空き家などで凍結による破裂が増加しています」として、長期間使用しない空き家やアパートの空室をお持ちの方に水抜きを呼びかけています。凍ってしまうと水が出なくなるだけでなく、解氷作業や破裂の修理に高い費用がかかります(いずれも有料です)。
同局が案内している冬じたくのポイントは、次のようなものです。
✓ 水抜き栓は、水を出した状態でハンドルを完全に閉める(中途半端な操作は漏水の原因になり、水道料金が高くなります)
✓ 露出している水道管は保温材で覆い、濡れないようにその上からビニールテープを巻く
✓ メーターボックスには、細かく砕いた保温材を袋に入れて詰める
✓ 温水器・湯沸かし器・ボイラーの水抜きは、取扱説明書かメーカーに確認する
水抜き栓の位置は建物によって違い、壁・流しの下・トイレ・床下などにあることが多いとされています。実家の水抜き栓がどこにあるか分からないという方は、雪が降る前の明るいうちに一度探しておいてください。冬の間まったく使う予定がないのであれば、水道の使用中止を届け出るという選択肢もあります(秋田市の場合、開始・中止の連絡は1週間くらい前までにとされています)。
なお、水道の窓口や届け出の方法は市町村ごとに異なります。由利本荘市・にかほ市など秋田市以外にお住まいの物件については、それぞれの市町村の水道の窓口でご確認ください。
屋根の雪は「誰が下ろすか」を先に決めておく
空き家でいちばん段取りが遅れるのが雪です。住んでいれば自然に誰かが動きますが、空き家は「気づく人がいない」まま雪が積もります。屋根の重みだけでなく、隣の家や道路への落雪も、放っておけば他人の被害につながります。
民法第717条は「土地の工作物の設置又は保存に瑕疵があることによって他人に損害を生じたときは、その工作物の占有者は、被害者に対してその損害を賠償する責任を負う」と定め、占有者が必要な注意をしていたときは所有者が賠償しなければならないとしています。実際に責任を負うかどうかは個々の事情によって判断されますが、「誰も住んでいないから関係ない」とは言えないということです。心配な事情があるときは、弁護士などの専門家にご相談ください。
雪下ろしを自分や家族で行う場合、由利本荘市は次のような注意を呼びかけています(除雪中の事故は毎年発生しています)。
✓ 作業は2人以上で。やむを得ず1人で行うときは携帯電話を持ち、家族や隣近所に声をかける
✓ ヘルメット・滑りにくい手袋を着け、命綱と墜落制止用器具を必ずつける
✓ 屋根の雪は厚さ20センチメートル程度残して足場を確保し、建物のまわりにも雪を残す
✓ 地上で作業するときは、気温が高い日の屋根からの落雪やつららの落下に注意する
✓ 道路への排雪はしない。消火栓や防火水槽の取水口の周辺にも雪を捨てない
由利本荘市では、屋根の雪下ろし安全対策のためにヘルメット・カラビナ・ロープの貸し出しも行っています(矢島・鳥海・東由利の各総合支所、上川大内出張所、矢島・鳥海・東由利の各分署に配置。墜落制止用器具の貸し出しはないため、市販のものを使うよう案内されています)。詳しくは市の危機管理課または消防本部警防課へお問い合わせください。
遠方にお住まいで冬に通えないという場合は、雪下ろしを誰に頼むかを秋のうちに決めておくことが、いちばんの備えになります。親族や近所の方に頼むにしても、地元の業者に頼むにしても、雪が降ってから探し始めると間に合わないことがあります。なお、雪下ろしや除雪は本荘美術では承っておりません。家財の片付けと買取は当店で、雪の処理は地元の除雪業者へ、と分けてご検討ください。
放置が続くと、管理責任と税金の話になる
空家等対策の推進に関する特別措置法(空家法)は第5条で、空家等の所有者や管理者について「周辺の生活環境に悪影響を及ぼさないよう、空家等の適切な管理に努める」ことを定めています。管理が行われていない状態が続くと、市町村長は次のように段階を追って関わることになります。
ひとつは同法第13条の「管理不全空家等」です。そのまま放置すれば特定空家等に該当するおそれのある状態にあると認められる空家等について、市町村長は必要な措置をとるよう指導し、それでも改善されないときは勧告することができます。もうひとつが同法第2条第2項の「特定空家等」で、こちらは倒壊などのおそれや衛生上の問題、著しく景観を損なっている状態などが対象です。第22条により、助言・指導、勧告、命令と進み、最終的には行政代執行という段階まで定められています。
ここで効いてくるのが固定資産税です。地方税法第349条の3の2は、住宅の敷地(住宅用地)について固定資産税の課税標準を価格の3分の1に、そのうち200平方メートルまでの部分(小規模住宅用地)は6分の1にすると定めています。ただし、空家法第13条第2項の勧告を受けた管理不全空家等と、第22条第2項の勧告を受けた特定空家等の敷地は、この「住宅用地」から除かれます。つまり、勧告を受けると軽減の対象から外れ、土地にかかる固定資産税が増えることになります(実際に適用される年度については市町村にご確認ください)。
由利本荘市も、特定空家等に認定され助言・指導によっても改善が見られず勧告を受けると「住宅用地の特例」の対象外となり、敷地にかかる固定資産税等が増加する、と案内しています。同市は空き家の管理について「空き家になってからも定期的(月1回以上)な通気や清掃、修繕等の管理が不可欠」としており、遠方で難しい場合は不動産業者等の空き家管理サービスを利用する方法も挙げています。
実際にどれだけ税額が変わるかは、土地の評価額・面積・住居の数によって異なります。ご自身の物件については、物件のある市町村の税務担当窓口にご確認ください。
片付けの順番|秋のうちに家の中を軽くする
冬支度と片付けは別々の作業に見えますが、実際には「家の中が片付いているほど、冬の管理がラクになる」という関係にあります。通水や換気に通うにも、雪下ろしを頼むにも、玄関から各部屋まで人が通れることが前提です。順番としては、次のように進めると迷いにくくなります。
1. 人が通れる道をつくる
玄関から廊下、各部屋、水回りまでの動線を先に空けます。ここが塞がっていると、以降の作業がすべて滞ります。
2. 書類と貴重品を先に探す
権利証・通帳・保険証券・年金関係の書類・古いアルバムなどは、まとめて先に確保して持ち帰ります。片付けが進んでから探すと、行方が分からなくなります。
3. 仕分けは「場所ごと」に区切る
家中を一度に見ようとすると必ず止まります。仏間、蔵、納屋、物置というように場所を区切って進めてください。仕分けの考え方そのものは生前整理を始めるタイミングと進め方でご案内しています。
4. 大きなものは運べる季節のうちに
たんす・食器棚・家電・農機具まわりなど、人手と車が必要なものほど雪の影響を受けます。大物こそ秋のうちに動かしてください。
5. 蔵・納屋・物置は後回しにしない
母屋より先に閉ざされるのが外の建物です。戸の前に雪が積もると春まで開かないこともあるため、外にある建物ほど早めに手をつけます。
業者に頼むかどうかの判断は親の家の片付けはどこに頼む?でもご案内しています。見た目では価値の分からないお品については価値がわからない古道具・民具でも買取できる?もあわせてご覧ください。
買取と不用品回収を、一度の出張でまとめて
本荘美術は由利本荘市を拠点に、秋田県全域へ出張料・査定料無料でお伺いしています。骨董品・美術品・着物・貴金属などは査定してその場で買い取り、買い取れなかったお品は無料でお引き取りしています(危険物や産業廃棄物など一部お引き取りできないものがあるため、事前にご相談ください)。売れるものと処分するものを、あらかじめ仕分けていただく必要はありません。
「今年の冬は誰も帰らない」「来年に解体を考えている」といった段階でも構いません。家の中の量が分からないというご相談も含めて、まずはお声がけください。サービスの詳細は不用品の無料回収のページに、空き家と生前整理の考え方は秋田の空き家問題と生前整理の重要性にまとめています。
自治体のごみとして出す場合の費用や手順は、秋田市で不用品・粗大ごみを無料で処分する方法、由利本荘市の粗大ごみ手数料が改定でもご案内しています。
出典:e-Gov法令検索「空家等対策の推進に関する特別措置法」(第2条・第5条・第13条・第22条)、e-Gov法令検索「地方税法」(第349条の3の2)、e-Gov法令検索「民法」(第717条)、秋田市上下水道局「冬への備えについて」、秋田市上下水道局「水道の使用を開始・中止するとき」、由利本荘市市民生活部生活環境課「空き家について」(ページ番号1008701)、由利本荘市総務部危機管理課「除雪中の事故を防止しましょう」(ページ番号1006927)。自治体の案内内容は2026年9月時点のものです。



