遺品整理を進めるなかで、形見分けをいつ、誰に、どこまで行えばよいのか迷われるご相談が少なくありません。由利本荘市を拠点に秋田県全域で出張買取と遺品整理を行う本荘美術にも、順番やマナーについてのお問い合わせが寄せられます。とくに秋田の旧家や蔵のあるお宅では、着物や掛け軸、古い道具など価値のわかりにくいお品が多く、順番を誤ると後々のトラブルにつながります。本記事では、形見分けの進め方とマナー、気をつけたい注意点を整理してご案内します。
形見分けは「遺産分割が終わったあと」が基本
形見分けとは、故人が大切にしていた品を、ご家族や親しかった方へ分けてお渡しすることをいいます。順番としては、遺言書の有無を確認し、相続人を確定し、財産の全体像を把握して遺産分割の話し合いを終えたうえで、そのあとに残った思い出の品を分ける——という流れが基本です。
ここを飛ばして先に品物を持ち出してしまうと、あとから「あれは分割の対象だったのでは」と話が戻り、ご親族の間で気まずくなることがあります。片付けを急ぎたいお気持ちはよくわかりますが、価値がありそうなものほど、先に分けないとお考えいただくのが安全です。
時期の目安は忌明けのころ
形見分けの時期に法律上の決まりはありません。慣習としては、仏式なら四十九日の法要を終えた忌明けのころ、神式なら五十日祭のあとを目安とすることが多いようです。キリスト教では形見分けにあたる決まった作法はないとされ、亡くなってから一か月ほどの追悼の集まり(追悼ミサ・記念集会)に合わせて行われることがあります。
ただしこれはあくまで目安で、地域やご宗派、ご家庭の事情によって考え方は変わります。秋田では、ご親族が遠方にお住まいで集まれる日が限られる、雪が積もると空き家に入りづらいといった事情もあり、法要に合わせて形見分けと片付けをまとめて進めたいというご相談も少なくありません。無理に急がず、皆さまが集まれる日に合わせて構いません。
形見分けでつまずきやすい3つの場面
価値がわからないまま分けてしまう
蔵や納屋、仏間の押し入れから出てくる掛け軸・茶道具・古い着物・古銭・古い時計などは、見た目だけでは価値の判断がつきにくいお品です。分けたあとに「あれは値打ちがあったらしい」という話が出ると、悪気がなくても角が立ってしまいます。
✓ 判断がつかないものは、分ける前に写真と数量の記録を残しておく
どこに何があったかを写真で残しておくだけでも、あとから話し合いをやり直すときの手がかりになります。品物の見方については価値がわからない古道具・民具でも買取できる?査定の見方でもご案内しています。
相続放棄を考えている方が受け取ってしまう
これはとくに注意が必要な場面です。民法第921条は、「相続人が相続財産の全部又は一部を処分したとき」は単純承認をしたものとみなすと定めています(第1号。保存行為などは除かれます)。また、相続の放棄をしたあとであっても「相続財産の全部若しくは一部を隠匿し、私にこれを消費し」た場合は同じ扱いになるとされています(第3号)。
形見分けのつもりで高価なお品を持ち帰ったことが、これらに当たると判断されるおそれがあります。ご親族のなかに相続放棄を検討している方がいる場合は、形見分けを含めて品物に手をつけないまま、先に専門家へご相談ください。詳しくは相続放棄を検討中の遺品整理|処分・売却の前に知りたい注意点をご覧ください。
税金の扱いを確認していない
相続税の対象になる財産について、国税庁は「金銭に見積もることができる経済的価値のあるすべてのもの」と説明しています。思い出の品であっても、宝石や貴金属、美術品のように換金できるものは対象に含まれ得るという考え方です。
また、相続人ではない方が品物を受け取る場合は、贈与として扱われることがあります。贈与税の暦年課税では基礎控除額が110万円とされており、その年に受け取った財産の合計がこれを超えると申告が必要になります。高額になりそうなときは、自己判断せず税理士や所轄の税務署にご確認ください。
渡すときに気をつけたいマナー
形見分けは贈り物とは少し性格が異なり、受け取る側にも事情があります。次のような点に気を配ると、お互いに気持ちよく進めやすくなります。
✓ 渡す前に相手のご意向をうかがい、押し付けない
✓ 汚れは落とし、衣類はクリーニングをしてからお渡しする
✓ 目上の方へは、先方からご希望があった場合にお渡しする形が無難とされる
✓ 華美な包装は避け、白い紙や半紙に包む程度にとどめる
✓ お断りされても気にせず、無理に受け取っていただかない
いずれも慣習にもとづく一般的な考え方で、地域やご家庭によって異なります。秋田県内でも集落によって作法が違うことがありますので、ご年配のご親族に一度うかがってみると安心です。
迷ったら「査定してから分ける」という順番も
どうしても価値の判断がつかないお品が多いときは、形見分けの前に一度査定を受けてしまう、という進め方もあります。おおよその見立てがついてから分けたほうが、ご親族の納得を得やすいためです。
本荘美術では、由利本荘市を拠点に秋田県全域で出張買取をおこなっており、出張料・査定料はいただいておりません。骨董品・美術品・着物・貴金属・古道具など、お取り扱いしている品目は買取品目のページでご確認いただけます。形見分けを終えたあとに残るお品の片付けについても、買取と不用品の回収をあわせてご相談いただけます。
遺品整理そのものの進め方や業者の選び方については、秋田で遺品整理を業者に頼む前に知っておきたいこともあわせてご覧ください。「まだ形見分けの途中で、売るかどうかも決めていない」という段階でのご相談でも構いません。無理に買取をおすすめすることはありませんので、判断に迷ったらお気軽にお声がけください。
出典:e-Gov法令検索「民法」第921条(https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089)、国税庁ホームページ「No.4105 相続税がかかる財産」(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4105.htm)、「No.4402 贈与税がかかる場合」(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/zoyo/4402.htm)。本記事では、これらの内容を要約・編集して紹介しています。



